北欧紅茶シリーズ

・ブレンダーとしての資質と素材に対しての探求

スリランカの最高級紅茶輸出商の子息として生まれたバーノンモーリス氏。

彼は幼い頃より紅茶とともに成長し、またその歴史とともに歩んできました。彼の生家は現在でも無農薬や低農薬など、最高級のセイロン紅茶を世界80ヵ国近くに輸出しています。

10代の頃から本格的のルーツを学び、紅茶の基礎を学び、20代から30代にかけては、更にブレンドの技術を磨く為に、その後の紅茶文化のメッカとなったイギリスへ渡りました。そこで類稀なる才能を発揮し、イギリスでの研究は紅茶のみにとどまらず、日本茶や中国茶も含めた茶全般になり、更には葉巻のブレンドを手がけました。つまり、彼自身の探求は、葉や花などの自然素材そのものに広がっていきました。もともと土壌が豊かな南方の国で育ったブレンドの数々に見られる「葉」「花」「香り」の融合となり、素材に対しての幅広い知識を必要とする彼のブレンドスタイルの原点が構築されました。

・国王にも認められた技術とクオリティー

当時のイギリスの数々のティーブランドのメゾンでも彼のブレンドスタイルが注目され、ブレンダーとしての研究開発を手がけるなか、彼の人生を大きく変えるきっかけになったのは当時のスウェーデン国王子（現国王カールグスタヴ）のイギリス訪問でした。

当時の王子は、当時のスウェーデンにはない「紅茶」という初めての飲み物に感激し、大変魅了されました。なぜなら当時のスウェーデンには「コーヒー消費国・世界一」といわれ、紅茶の文化は存在しなかったのです。そこで、スウェーデン王室に招聘（しょうへい）され、スウェーデンへ渡ったのが現在のセーデルブレンドをはじめとする彼のオートクチュールの紅茶を生み出すきっかけとなったのです。その後、スウェーデン王室より「King of The TEA」の称号を授与され、紅茶の伝道師として隣国のヨーロッパ王室にも愛飲されるようになりました。

彼の代表作品のセーデルブレンドは「世界初のフレーバーティー」として当時のギネスブックにも登場されました。

彼の生まれ持った資質と素材への弛まぬ探究、そして努力と強い情熱により、素晴らしいブレンドの数々が誕生し、世界中の皆様へ愛される紅茶となりました。

その後、彼の手がけたブレンドはイギリスのハロッズやフォートナムメイソンなどのオリジナルブレンド、スカンジナビア航空やベルギー航空などの航空機内オリジナルブレンド、米国マクドナルド本社などのオリジナルブレンドなど、360種類以上といわれています。

当時のスウェーデン王室の非売品として各国の王室や皇室への贈答として愛された「セーデルブランニング（セーデルブレンド）」を初めとする、彼のオリジナル・ハンドメイドの作品の数々は、40年以上経った現在でも世界各国の食材へのこだわりをもつ方々や世界を代表するシェフやパティシエに希少なハンドメイドのブレンドティーとして愛され続けています。